• 2018.4.6
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快晴後ドカ雪、トレースなし。天狗岳で初の雪山ソロ

山行中止が相次いだ今冬、気付けば3月も半ばなのに雪訓以外いちどもピッケル使ってない! さすがにこれは……。で、土曜出勤明け、ひとり天狗岳に出かけることに。

 

平昌五輪銀メダリスト高木美帆さんの凱旋に沸く茅野駅を後に、日にたった2本の渋の湯行きバスに乗り込んだのは私1人。静かな雪の森ハイクを楽しみ高見石で一泊し、翌5時にスタート。

 

満点の星空、マイナス2℃と暖かい朝。ヘッデンで足先数mしか視界が利かない樹林帯では自分の歩みが遅いような気がして、ついついハイペースに。

 

日の出前に中山展望台に到着すると快晴無風で風の音もなく、鳥の目覚め前は完全に無音の世界で、空だけが色あいを変えていきます。単独行で対峙するのは目の前の光景と自分のみ。ただただ無言で見つめ続けます。団体行動のときとは天と地ほどに違う印象の強さ。単独行の醍醐味です。

 

夜が明けると北アルプスに北信五岳もくっきり。中山を抜けると、行く先の天狗岳もきれいに見えてきました。

 

高見石からコースタイムの半分、1時間で中山峠に到着。いよいよ天狗岳へ!・・・と思いきや、平日早朝に着いてしまったためか突如トレースのない雪壁出現。天狗なのに……。日曜だった前日も、皆さん登頂を諦めて戻られている様子。兎も斜めにトラバースしています(笑)

 

出発後誰とも会うことなく人の気配のまったくない山中の単独行。しかも八ヶ岳は連日の晴天でカチカチに凍った上に湿ったドカ雪が降ったので、アイゼンとピッケルが効き難い……。前日の阿弥陀南稜の滑落事故が頭をよぎります。

 

でも荒天の兆しは皆無で風も弱く、頂上までは残500m。雪崩を起こしそうな雪の張り出しも小規模雪崩の痕もなく、東の絶壁側に落ちないように下りて来られれば良いだけです。いまやらないで、いつやる!? いざという時に首が絞まらないようピッケルリーシュの襷がけを確認し、アイゼンを締め直して、Here I go!!

 

久々の緊張感に包まれて無事登頂。

単独行の醍醐味のもう一つは、習ったことを実際に自分の頭と身体でモノにできる(…かも?)ということ。足の置きかたひとつにしても、ピッケルを突き刺す角度にしても、雪訓の内容をさらうように試し、修正し、納得し。見よう見真似とは会得の度合いが違う(…気がする)。

 

北側ルートからは登頂して初めて南八ヶ岳と南アルプスを見渡せます。この展望!

 

雪壁を登り切ってから判ったことですが、北側ルートの天狗岳は黒百合ヒュッテをベースにする人が多いため、天狗の奥庭側にはトレースがついていました。下山時には単独行の3人とすれ違い、気持ち的にもホッ。しかも先ほど雪壁につけた足跡が使われていたので、私自身も降りやすくなっていました。やっぱり人がいるのは安心です。

 

黒百合ヒュッテ前は他県の山岳会が雪訓中。もう春休みなんだっけ。私もこんなふうに何度も根気よく教えてもらったなと、感謝の気持ちと満足感とで自然に笑みがこぼれます。暖かな陽射しをたっぷり浴びながら、朝からの行程を何度も思い返し、帰路についたのでした。

 

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