屋久島・宮之浦岳 山頂からロケット打ち上げ見物

南に逸れた台風の影響で、連日晴天予報の屋久島。鹿児島で乗り継いだ小型プロペラが、まるで遊覧飛行船のようです。開聞岳が美しい!

 

翌朝、ガジュマル林が続く亜熱帯の海辺の町からタクシーで1時間、標高1360m地点の淀川登山口へ。6時半の日の出とともに出発、気温2℃。巨木が次々と現れる温林帯からの歩き始めで、足を止めては木を見上げ、ザックを下ろして写真を撮り・・・。静かな早朝の路を、ゆっくりと楽しみます。

 

出発から1時間、淀川小屋を過ぎて橋を渡り、ようやく登りに。淀川の透明度にびっくり。

 

尾根に乗り標高1600m辺りで温林帯を抜けると、チラホラ展望が開けてきました。高盤岳の山頂に鎮座するトーフ岩。月が見えています。

 

日本最南端の高層湿原・花之江河。出発から3時間で稼いだ高度が280m。大きな島だなぁ。

 

一息入れて出発しようとすると、「今日は急いで上がらない方が良いよ」と地元のガイドさん。種子島のJAXAから13時過ぎにロケットが上がるとのこと。年間気温が札幌よりも低い洋上アルプス。山頂は25mの暴風がザラだそうで、永田岳はパスして時間調整しながらゆっくり登れということらしいです。

 

ロケットの発射は通常夜中だそうで、昼に上がる場合も悪天で見えない・暴風で待てないために、この道40年、年間200日入山するベテランガイドさんたちも口々に「この晴天で山頂から見るのは初めて」とのこと。では、ゆっくり楽しみながら行きますか!

 

標高1700mあたりで森林限界を迎えると、九州の最高峰7座が続く稜線漫歩の路に。永田岳をパスして行程が8時間に短縮されたので、投石平で足を投げ出し、朝ごはんの大休止。

 

花崗岩が隆起してできた屋久島。一枚岩のスラブを何度も越えていきます。

 

ひとり静かに歩く醍醐味のひとつ。森の動物たちに、ひょっこり出会う瞬間。

 

モアイ像もいます。

 

宮之浦岳、標高1936m。わずか11人の、静かで和やかな山頂です。年に10日もないとの晴天無風に恵まれて、景色を満喫しながら待つこと1時間。

 

カウントダウン。

 

あっという間に見えなくなりました。

 

さて。山頂から新高塚小屋まで、あと3時間弱。見渡す限りヤクシマダケの笹原と巨石が広がる、たおやかな路です。

 

海辺の町からは見えない宮之浦岳。平石岩屋、第二展望台、第一展望台と、徐々に遠くなる山頂を惜しみつつ。

 

樹林帯に入ると、シャクナゲとアセビのトンネルが続きます。

 

16時、新高塚小屋(標高1500m)に到着。傍らのヒメシャラが紅葉していました。水場・トイレあり、物干しロープ・サンダル完備。小屋前のテン場はデッキが整備されています。

 

30人はゆったり寝られる広さに宿泊者20人。ガイド付き少人数パーティが多く、日帰りを含めても単独行者は皆無でした。

 

女性の単独縦走は珍しいようで、山頂で一緒にロケットを待った2パーティの両ガイドさんから「6人1パーティにして反省会やろうや!」「一番端のスペース使え」と有難い配慮が。山頂での差し入れに加えて夕食も朝食も10時のおやつまでご馳走になり、渡すよりもらう方がずっと多くて、山頂以降は食料が増え続けていたような・・・。

 

翌朝。星を見納め、出発時にはまぶしいほどの朝日が。2日目も晴天です。

 

小屋から1時間で縄文杉に到着。想像の域を超えた大きさに圧倒されます。まだ誰もいないデッキに座り込み、半ば放心状態でしばし対面。

 

この先はずっと、整備の行き届いた木の階段を降りていきます。シーズン中の縄文杉までの日帰り入山者数は1300人超とのこと。屋久杉に静かに会うには、早朝に辿り着ける反時計廻りの縦走が正解です。

 

表土の流出と樹幹の腐朽で、真下から見上げる大王杉は今年で見納め。そしてウィルソン株、唯一地面に降りて触れられる屋久杉です。

 

株の中から見上げると・・・

 

大株歩道を降りきりトロッコ道に合流。荒川登山口まで3時間かけて標高差130mをゆるゆると下っていきます。今年2月に軌道内に踏板が敷かれたとのことで、枕木よりも歩きやすそうだけど、歩きながら眠りそう・・・。

 

安房川から吹き上げる風が心地良い。トロッコになった気分!

 

手すりの無い橋を3回渡ります。晴れててよかった。

 

初代トロッコを過ぎ、トンネルを抜けて。

 

14時前、登山口に到着。日に2便のバスを待ちながら体をほぐし、下山報告してからも、まだまだ夢の中にいる気分です。

 

宿に戻って見た朝刊。

 

翌朝からは、下山後に合流した母と『もののけ姫』で有名な白谷雲水峡や大川の滝へ。水量豊かな山の島ならではの、急峻で豪快な滝。落差約90m。

 

帰路、海上からの桜島。

 

フェリーを乗り継ぎ、奄美大島へ。

 

屋久島でも奄美大島でも、出会った人はみな急くことなく朗らかで、手を差し伸べることに躊躇なく、分け隔てなく優しかった。私も知識と技術を身に付けて、疑心暗鬼を手放して、ゆったり微笑みながらいられるようになりたいなぁ。まずは、山と海と沢山の人たちからもらった元気をお裾分けできる笑顔で!!

A

 

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