裏銀座~読売新道

昨夏、リクエストしながらも参加できなかった読売新道。今年も体調はよそに、天気は最高の予報です。登りを下りに、テントを小屋にハードルを下げて、個人山行で出かけてきました。

3時半、七倉着。星空を眺めつつ5時半の開通を待ちます。吊り橋を渡り、ダムの気嵐を眺めて登山道へ。
「北アルプス三大急登」と呼ばれるブナ立尾根ですが、樹林帯で涼しく快適な路でした。イワギキョウ群生地の向こうに赤牛岳が。2日後に歩く稜線です。

ザックをデポして烏帽子岳へ。これまで一緒に歩いてきた山々を眺め、思い出話をし、ゴロンとお昼寝。こんなふうに過ごすかけがえのない時間があるから、山をやめられないのかも。18時前なのに、まだまだ強い陽ざし。もう8月なんだなぁ。***

2日目。餓鬼・唐沢から槍・穂高まで表銀座を一望しながらの稜線歩き。野口五郎岳までは、石英が作り出す白い山肌の路。ザレた足元には一面、朝露をまとったコマクサが。真砂岳を越え、乗越の岩場でルートの折り返し地点。東沢を挟んで東に歩いてきた裏銀座、西にこれから歩く読売新道。こじんまりとして快適な水晶小屋。布団は4枚で5人でした。周りの皆と仲良くなれば、気になりません。

***

翌朝、夜明け前の水晶岳。日の出を待って30分の大休止。

これから向かう赤牛岳への道。朝もやが晴れた頃、振り向くと南アルプス・富士山まで見晴らせました。

温泉沢の頭。山頂まで続くゆるやかな稜線を眺めながら、一歩ずつ近づいていきます。8時登頂。立山、剣、白馬~針ノ木、裏銀座、その奥に常念山脈、槍穂高、水晶、乗鞍、笠、黒部五郎、薬師と、ぐるっと360度の絶景。誰もいない山頂で1時間、堪能しました。山頂から東沢出合いまでは、30分ごとに8分割の標識が出てきました。下山直後に崩壊地のトラバースがあり、ロープが張られています。8/8:大きな岩を伝い30分で200m下山。昨夏、蛭Tさん太Tさんは2日+1泊分の水を背負ってこんな所を登ったのかと冷や汗。5/8:ようやく日陰に。眺望はここまで。

4/8:湿った樹林帯。苔の付いた大きな石が続き滑りやすい。ギンリョウソウが多く咲く路。3/8:シャリバテで30分休憩。2/8の激下りを経て、1/8で左右から沢の音が。奥黒部ヒュッテで冷たい水を補給し、1枚板の大きなベンチに寝転んで1時間の大休止。足は絆創膏だらけ。その後2時間、芸術的な丸太の階段を登っては下り……。1時間前に渡船場に到着。奥黒部ヒュッテ出発時から雷鳴が響いていたものの降られることなく、体をほぐし、また靴を脱いで、のんびりと渡し船を待ちます。大休止4時間込みで行動時間13時間半(CT12:00)。丸1日、よく遊びました。***

最終日、また丸太の梯子と階段の登り下りを繰り返して黒部ダムに到着。 連日の快晴・酷暑が堪えて「もう当面、山はいいや」と思いながら歩いていたのに、ダムを見た途端、「下ノ廊下、どこを下って行くんだろ?」と壁面を探している自分!! 思わず苦笑しました。

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