槍ヶ岳~笠ヶ岳縦走 夏合宿
8月11日~14日、3泊4日の行程で槍ヶ岳~笠ヶ岳を縦走しました。7案ほどのコースより日程やメンバーの希望等を反映させ、最終的に槍ヶ岳~笠ヶ岳への縦走、そして最終日はクリヤ谷を下山する充実した素晴らしい計画が出来上がりました。
新人2名を含む5人パーティ。新人メンバーにとってはこれからの未知の体験への期待感とそれに勝る不安がザックの重さ以上にのしかかっているようです。11日早朝、新穂高温泉より出発。槍平小屋までおよそ4ピッチ半。実はこの初日の無理のない行程が今回の計画の大きなポイントのひとつでした。
軽い登りの林道をゆっくりとしたペースで進みます。天気予報の雨を覚悟していましたが、幸い降られることなく、また照りつける夏の太陽もちょっとお休みの高曇り、というアプローチには最適な天気となりました。沢沿いの水場でも自然と会話が弾み、明るい笑顔がこぼれます。
沢を渡りいよいよ登山道へ。もう少しもう少しと思う間もなく、樹々の間より小屋の屋根が見えてきました。槍平小屋のテント場は広々と快適。冷たい水がとっても美味しい!雲が切れ穂高の稜線も顔を出しました。明日からの本格的な縦走に胸が躍ります。
3時起床。朝食、テント撤収と手際よくスピーディにはかどり、5時出発の予定も30分早く4時30分には出発できました。実はこの30分早くが、今日の行動に絶妙なタイミングの良いリズムを生み出しました。まずは千丈沢乗越まで標高差700m超の急登。登るにつれ視界が徐々に開けてきました。気温もぐんぐん上昇。7時15分、千丈沢乗越に到着。左方面(北北西)が双六岳、右方向が槍ヶ岳へのルートとなります。
天気が急変、気温も急激に下がり雨がパラパラと。急いで雨具に身を包みザックをデポし槍ヶ岳を目指します。軽身になったとはいえ肩の小屋まで登りがきつい。肩の小屋に着くころには、タイミング良くガスも晴れ視界も広がってきました。心配していた登頂渋滞もなくスムーズに槍ヶ岳山頂へ。
槍ヶ岳を後にし、西鎌尾根の縦走路を双六岳へと進みます。北アルプスのシンボル槍ヶ岳はどの方向から見てもくっきりとした美しいシェイプが魅力です。
雷鳥にも幾度となく遭遇、鳥大好きなMWA君が素敵な写真を撮ってくれました。緑色の山肌が美しいとても静かな景色、すでに9時間以上の行動となりました。沢山のテントが張られた今日の幕営地双六キャンプ場が眼下に見えてきました。もうひと頑張りです。
合宿3日目4時50分、鷲羽岳を背に双六岳テント場より笠ヶ岳へと出発。
槍ヶ岳をはじめ穂高の山々が黒々とその姿を現しました。今日は左手にこの威容を抱きながらの縦走になります。日も上り行く手には乗鞍岳、そして遠く御岳山のシルエットが望めます。弓折岳にて記念の1枚。合宿も3日目になるとさすがに日焼けが目立ってきました。
適度なアップダウンが続きます。青い空を背景に夏山の醍醐味をたっぷり味わいます。11時前には笠ヶ岳のテント場に到着。テントを設営し早速笠ヶ岳山頂へ。小屋の売店でお待ちかねのビールやら、あっ何とスイカも!その後、昼寝をしたり読書をしたり、贅沢なアルプスタイムを思い思いに堪能、山談義にも花を咲かせます。
いよいよ最終日、夜明けの槍ヶ岳の演出に心を奪われいつまでも見入ってしまいます。素晴らしい合宿の最後を飾るにふさわしい素敵なプレゼント!
昨日に続き再び笠ヶ岳山頂へ。360°の展望に山の位置を確認したり、いずれ訪れる山々に心ゆくまで思いをはせ山頂を後にしました。雄大な景色をバックにクリヤ谷へと下降を開始。時折足を滑らせながらも順調に高度を下げていきます。
植相の変化とともに、イワツバメの飛翔からウグイスの鳴き声、そして蝉しぐれへと舞台は変わり、夢のようなアルプスの世界から山麓の現実世界に戻って来ました。
キラキラ輝く沢の流れを何度か渡渉するとまもなくフィナーレを迎えます。槍見館、一般道に出て夏合宿の縦走も無事終了となりました。