2019夏合宿 聖岳~光岳2泊3日縦走
「3泊4日かな」との当初案がいつの間にか、ルートはそのまま2泊3日に。CTは1日め8:20、2日め9:00、3日め13:30。重い・暑い・長丁場の3日間、歩き切れるかな…。
朝5時、芝沢ゲート出発。林道の崩落による徒歩通行(1時間半)に、さらに迂回路出現。川に飲み込まれた林道を見下ろしながらの高巻き。便ヶ島登山口まで、さらに30分歩きます。足元にはサワグルミの実がたくさん。台風翌日のこの水量を見て手動ロープウェイに乗せてくれようと速足で橋を渡って行ったY成リーダーに、思わず付いて行ってしまいました。ちょっと乗ってみたかったかな。2時間の林道歩きを経て聖岳に向かう人は稀なのか、静かで苔の美しい、素敵な尾根です。しかも西向きの樹林帯は日陰続きで涼しい! 1550mの標高差を真夏に登るにはベストな選択だったかも。荷物の重さにも慣れてきて、キツいながらも、だんだん楽しめるように。ワニくん発見。薊畑の崩壊地から花畑を抜けて、13時半、聖平小屋に到着。テン泊者にもフルーツポンチの振舞いが♪ 狂喜する私に「こっちも食べていいよ」とリーダー。遠慮なく平らげました(笑)。
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翌朝4時半、まずは聖岳まで標高差750m強の空身ピストン。花を眺めたり画像を撮ったりの時間を気持ちよく待ってもらえて、楽しみつつ頑張って登ります。ハイマツ帯に、ホシガラスの天然の餌台が。朝霧が晴れる前に標高を稼がないと。岩場に咲く花々に植生が変わる頃から、聖岳の頂上が見えてきました。小聖岳から先はガレ・ザレの路です。6時45分登頂。晴天無風です。北アルプスまで見渡せました。誰もいないので自撮り。
これから向かうルート。この尾根を、ずーっと歩いて行くんだなぁ。
下山時の花畑は、青空に映えて夏色。
小屋前の木道から、いま登ってきたばかりの聖岳。
テントを撤収し、9時15分、再出発。荷物を背負って上河内岳まで550m弱を登り返し、また400m強を降りて茶臼小屋まで向かいます。
登り返しを励ましてくれたセリバシオガマ。植生に乏しい針葉樹林帯の林床に、所々顔を出す素朴な花。
南岳を越えると、トラバース道に花畑が。苦労が吹き飛んだ瞬間!!
「ダイコンソウの群落だよ」と伝えた途端、この画像を撮っていたリーダー。減点1です。
肩にザックを下ろし、空身で上河内岳(200名山)へ。
14時20分、茶臼小屋に到着。テントを張り終え、荷ほどきした直後に本降りの雨が。フライがなく地面も傾いていたので、ファスナー部分から徐々に浸水…。ここでリーダーがストックを使い入口を外向きに固定する技を考案。あるもので何とかしてしまうこの対応力、お見事! おかげで安心して眠ることができました。
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翌朝は3時半スタート。歩き始めてすぐ、おもむろに立ち止まり荷物を開けるリーダー。ザック下に蛍のようにランタンを吊るしてくれました。
5時10分、希望峰を越えた先から見えた聖岳・上河内岳の朝焼け。昨日歩いてきた山々から朝が始まるのを眺めているなんて、不思議な気持ちです。しばし足を止めます。
6時、易老岳に到着。ここでザックをデポし、光岳へ5時間20分の空身ピストン。易老岳から三吉平まで樹林帯を一旦下り、枯沢を300m登り返します。
登り切る直前に現れた静高平の花畑。トリカブトの群生の中にアルビノが。
昨晩の大雨で水場の水量も豊富です。冷たい沢水でひと息。
小屋前の木道。絵に描いたような楽園。
8時半、光岳登頂。樹木に囲まれた静かな山頂でした。
山名の由来の石灰岩峰(光石)を眺めながら大休止。良い天気!
帰り道、オコジョが顔を出しては隠れ、またピョコンと顔を出し…。なかなか通れません。
11時過ぎ、易老岳に戻り、デポした荷物を背負って、しらびその森を下ります。
倒木更新。
両足にハンディキャップのある私にとって、1650mの下りは今回最大の難関です。 痛み止めも効かなくなり小休止に水以外を口にできなくなった3日め、リーダーが休憩のたび手渡してくれたミルクティ。標高1800-800m区間が3日間で一番しんどい時だったけど、甘くて美味しくて、嬉しくて、元気ふり絞りました。あと2ピッチ。
14時50分過ぎ、易老渡登山口に下山。橋を渡り林道に出た途端、本降りの雨が。
15時55分、芝沢ゲート到着。林道閉鎖に遭わないよう急いで車を出し、16時06分、無事ゲートを通過しました。
3日めの未明と下り2ピッチだけ先行し、安全・ペース配分を確保して、あとは私のペースに合わせて楽しみながら歩かせてくれたY成リーダー。ひとりでは決して歩けなかった縦走路、辛い時もあったけど、嬉しいことも楽しいことも達成感も、すべて分けてくれました。
出発前、「歩き切れるかな…」とひとり思い悩んでいても、リーダーに会った途端「大丈夫、なんとかなる」と思えてしまうのは、やっぱり揺るがない信頼があるということなのかな。普段は憎まれ口きいているけど、本当は感謝してます(笑)。
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