谷川岳 西黒尾根 雪洞訓練
3月20、21日と恒例の雪洞訓練を実施しました。参加メンバーは5名です。ここ数年、雪洞はともかくとして、なかなか山頂へ到達できるコンディションには恵まれていません。強風の中、雪の少ない西黒尾根登山口より登り始めます。雪が無ければ雪洞どころではありません。が、しばらく登ると積雪も徐々に増えてきました。適地に到着しました。休憩もそこそこにさっそく雪洞作りの開始です。詳しい雪洞の作り方は文末に過去のブログをリンクしましたので、そちらをご覧ください。かなりの強風、時折激しい地吹雪が舞い上がります。雪洞の入口にツェルトを設置して完成です。青い空も見えはじめましたが、その後再び雲が広がり小雪もちらほらと。まずは、Aさん手作りの、フキノトウの風味を生かした味噌が際立つ一品からスタート。全4品のおつまみコースです。最後のシメのおでんまで6、7時間の超ロング飲食歓談、行動時間の数倍のリラックスタイムとなりました。タブレットで昭和、平成、令和の熱唱が続きます。当然周囲にはテントも無くスナックSETUDOの独壇場です。節度?いいえセツドーです。雪洞の広さは6人が悠々と過ごせるスケールになりました。天井の変形を考えると、この辺りが大きさの限界ですね。翌朝、黒々としたシルエットに希望輝く太陽が昇ります。期待とともに、稜線上でこの風では無理かなとも思いつつ出発です。朝日に照らされる雪面が美しく輝いています。森林限界を超え、いよいよ尾根に取り付きます。タイミングよく風はほぼ無風に感じられるほどまでおさまってきました。3カ所ほどの鎖場を慎重に登ります。雄大な山容に向かっていきます。振り返ると、順調に進んできた稜線が「さあ、どんどん登っていこう」と気持ちを後押ししてくれます。勾配も徐々にきつくなってきました。フワッとした雪からクラストした雪まで、雪質もどんどん変化していきます。谷を隔て右手後方に白毛門、朝日岳の堂々とした姿。まだかな、まだかなといくつもの雪壁、雪面を超えて頂上めざしひたすら登り続けます。そして、ようやく谷川岳山頂トマノ耳に到着です。感激の360°の大展望!こんな晴天めったにありません。それならばと双耳峰のもう一つのピーク、オキノ耳にも行くことにしました。3月とはいえまだ冬山の様相を見せています。ちょっぴりはしゃいでハイ、ポーズ。先ほど踏みしめたピークが神々しく屹立しています。登頂の喜びをしっかりと噛みしめて下山です。この時間になると天神尾根からも多くの登山者が登ってきました。すれちがうパーティと短い言葉を交わしながら、グサグサと溶けだした雪面を慎重に降りていきます。青い空をバックにトレースが作った、面白い雪の造形が現れました。雪洞にデポした荷物を撤収し、樹林帯を急ぎます。メンバーの後ろ姿、今回の登山の充実感をたっぷり漂わせていますよね。
よろしければ過去のブログもご覧ください。
2012年 雪洞の作り方を掲載
2018年 谷川岳 西黒尾根
2019年 谷川岳 西黒尾根