春合宿 尾瀬・景鶴山

鳩待峠から尾根伝いに至仏山・平ヶ岳(百名山二座)と景鶴山(三百名山)を踏破する、残雪期のみ歩ける2泊3日の周回ルート。前夜2時、大きなザックと特大サイズの期待を積み込んで、3名ずつ分乗して各車出発!

7:20、予定通り鳩待峠に到着。快晴無風です。

が、当日9時の予想天気図はこれ。遭難時のよくあるパターン、疑似晴天。

至仏山は見送り、初日は山ノ鼻から沢沿いに尾瀬ヶ原を抜けるルートに変更します。

至仏山は登れなくても、これこそ残雪期にしか歩けないお楽しみルート! しかも幕営予定地の大白沢山手前まで、かなりのショートカット(笑)

尾瀬ヶ原の向こうに燧ケ岳。先行者も後続者もない独壇場です。

青空の下、まずは猫又川に沿って3㎞強の雪原ハイキング。

尾根取り付き前の左俣。雪解けが早く、行きつ戻りつ渡渉ポイントを探し、結局ここに戻ることに。樹皮の剥けた倒木の下りは、前爪しか研いでいないアルミアイゼンが滑る滑る! 両サイドからストックと手を差し伸べてもらい、無事通過。ほっ。

基本的になだらかな尾根が続くけど、荷物が重いとやっぱり一苦労。

1661mピークを過ぎた辺りから、明日目指す景鶴山の山頂が。

天気は予報通り下り坂。月のように儚げな太陽も次第に隠れ、降りしきる雪に…。

13:30、幕営予定の1850m地点に到着。ちょうど雪が降り止み、本降りが来る前に各自整地しテントを設営。

会の新装備、プロモンテVL17。本体がメッシュ様の生地で結露もなく、夏は涼しくて良さそう。夜半にフライの下部が雪で埋もれて助かりました(笑) ソロテントは濡れものが干せるのが嬉しい♪

翌朝。5月には珍しい積雪量で、景色はすっかり冬山です。リーダーの蛭Tさんから、平ヶ岳は中止してテント撤収、風が弱まったため景鶴山を経由し下山するとの指示が。6:40出発。

大白沢山を北から回り込み、尾根に乗ります。目指す景鶴山を見据えて小休止。

山頂部の岩峰の西端。いよいよです。

が。ちょっと早く突っ込み過ぎて、叢林と岩に阻まれ残標高差40mをなかなか詰められず。ラーさんとY成さんが交互に偵察に出ては戻りを繰り返し、後続も枝木をかき分けながら岩峰に沿って150mのトラバース。

最後は約15mの直登。先頭のラーさんが何度も蹴り込み、丁寧にステップを切りながら登ってくれました。

10:00、景鶴山登頂! 帰路で分かったけど、北側を大きく巻いて岸壁の東側から攻めるとスムーズだった。簡単に登頂するより達成感があって良かったということで(笑)

山頂から尾瀬ヶ原が見渡せます。

下山は南側の崖にせり出す雪庇を気にかけつつ、蛭Tさんを先頭に慎重に…

ケイヅル沢を一気に下る計画でしたが、昨夜の雪による表層雪崩のリスクを考慮し、与作岳を越え尾根伝いに東電小屋へと大きく回り込むルートに変更。まだまだ先が長い…。

最終ピークの笹山は巻き、13:30、湿原に出ました。標高を下げた分、降雪は重たい霙に。

一般道に出る手前の湿原は、無数に走る小川のスノーブリッジでロシアンルーレット状態。

これが噂のヨッピ吊橋かぁ。踏み板が外されているので、各々好みの方法で渡っていきます。

その後の大堀橋も踏み板なし。幅20㎝の鉄板を、両足の靴をひっかけないよう慎重に…

尾瀬ヶ原を横断して山ノ鼻へ向かいます。幸い踏み跡があったけど、高架状の木道にかかるスノーブリッジを時おり踏み抜くことがあり、気が抜けません。辛抱の2時間。

15時を過ぎ気温が0℃を下回ると、木道が凍結してさらに歩きにくく…。吊橋の通過も含めて、時間的にギリギリセーフだったかな。足元ばかり見て歩くので、肩首に霙が溜まって重い…。

15:30、山ノ鼻到着。が、昨夜の雪で鳩待峠・戸倉間のタクシーが上がってこられないとのこと。キャンプ場はクマ出没で昨シーズンから使用禁止ですが、小屋の方に事情をお伝えして幕営させてもらうことに。

翌朝は快晴。昨日は「尾瀬は当面もういいや」と散々な気分だったのに、それを忘れてやっぱり歩いてしまう(笑)

テントを撤収したら、あとは鳩待峠への登り返しだけ。みんな良い笑顔! 7:20、無事鳩待峠に戻りました。

晴れれば単純に嬉しいけど、それ以上に悪条件や想定外の状況を皆と乗り越えることの方が、喜びも楽しみも深いような。とはいえ晴れ女でありたくもあり(笑)

A

関連記事

コメントは利用できません。
ページ上部へ戻る